登校日的に…

ツアーは3月からですが、登校日的なライブをやります!僕にとっては珍しいエフェクターもルーパーも使わないギター1本で弾き語りします。投げ銭です。お気軽にどうぞ!

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0.6db優しく囁いて

水星note レコーディング日記8

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※写真は1999年頃。

細かい作業に突入している。例えばボーカルにしても「あー」なのか「んあー」なのかだったり、「おーー」なのか「おぅー」なのか、はたまた「おぉ〜〜」なのかを選別して見極め一つに纏める作業など。これぞ譜面では絶対に表現出来ない。

以前、超メジャーの日本人なら誰でも知っている歌の上手いとされているボーカリストのレコーディングに立ち会った事がある。それはそれは衝撃だった、何故ならあんなに上手い人が何トラックも歌い、その選別たるや…例えば…アイウエオと歌ったとして、全文字トラック違い…別々に5トラックを使ったりしていたのだ!

こうしてヒット曲は出来て行くのか…と唖然とした事がある。実際に数十万枚の大ヒットとなった。

有名演歌歌手は一回しか歌わない…かも知れないが、間違いなく御大がお帰りになった後、エンジニアは不眠不休の努力をしている筈なのだ。

上手いのになぜ?と思われるかも知れない。様々な理由があるのだが…大きな理由の一つに…

「マイクロフォンを経由して録音する」

って事がある。

つまり、いくら上手に歌ってもマイクに「乗って」無ければNGなのだ。特にボーカルのレコーディングではコンデンサーマイクと呼ばれる高性能マイクを使用する。マイク側からしてみれば、ちょっとの変化も見逃さない…マイクと口の距離、角度で音色が全く違ってくる。衣装の擦れる音まで記録されてしまう。そして、こんな事情は一般には知られてないから無編集では「あの人たいして上手くないわね」となってしまう。

御大は実際に歌が上手いし、上手くて当然なのだ。それをマイクやスタジオやエンジニアのせいで「下手な歌」にするわけには行かない。

エンジニアの心中察するに余りある。

てな訳で、今の自分は歌手でありエンジニアである非常に苦しい立場なのです。そしてこれに関しては知らぬが仏では無いのです。普段ライブで使うマイクで雰囲気の良い歌が録れたとしても、クオリティが何段も落ちてしまいアマチュアのデモテープみたいになってしまう。

友人のタコ焼き職人が、たこひとつひとつに食べやすいように包丁で切れ目を入れているという。それと同じだ。ストイックだからじゃない、そうしなければ生きて行けないからだ。

ただ僕は前述のシンガーのように、一文字ずつ寄せ集めるような事はしたくないと思っている。ワンテイクの無編集とは言わないが、やり過ぎたらボーカロイドだよね…。

そして、もし今4kHzの猫撫で声でいつもより0.6dB優しく君から誘われたら全てを投げ出してしまうかも知れないな…

心掛けている事

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ウィキペディアより

 

水星note レコーディング日記7

【心掛けている事】

やはりテーマと云うか、指針となる思いを持って臨んでいます。ひとことで言えば「オルタナティブ」これは自分のライフスタイルにも共通の思いなのですが、とにかく、流れに迎合する事が苦手だし嫌いなんです。

那須に越して来たのもそうだし、サラリーマンをやれないのもそう。満員電車に乗りたく無いなら、逆方向に向かえば良いのさ。究極を言えば「ロック」は嫌いなんです。えっ?と思われるかも知れないけど分かりやすく言えば

「形骸化したロックみたいなもの」が嫌い。

スタジアム級のライブで客が拳を上げて皆んなで同じ動きをしてるのなんか宗教イベントか某国の軍事パレードにしか見えない。

それが「ロック」なら僕はロックじゃ無くて良いや。

…ていうとじゃあジャズ?みたいなトンチンカンはやめて〜(笑)

前置きが長くなったけど、水星楽曲は「フォーク」と捉えていないんです。元々日本のフォークは吉田拓郎井上陽水かぐや姫…などのヒット曲ぐらいしか聴いてないし、あまり深くは分からない。ただ当時、ボブディランやPPMなどを聴いて日本のとは全く別物なんだな…と子供心に感じていた。

今回の”水星note”に関しては、フォーク色を入れたくなかった。ついつい、おっ!この感じ似合うなあ…と取り入れて録音までした楽器や音色も有るが、似合うものほど危ない(笑)現在はそれらをカットする方向でエディットしています。昨日も苦労して録ったアコーディオン(サンプリング)を全て取り止めにした。VOXとSGでフルテンの爆音ウーマントーンも9割以上はカット…

迷った時には、なぜ水星楽曲に取り組みたくなったか…ここに戻る事。初めて彼のステージを見たとき正にオルタナティブな戦慄が走ったのです。

♩そんなあなたと話したい事は…何も無い

って、そこからめくるめく広がる水星世界。コール&レスポンスの対岸。絶望とシニカルな嘲笑。これを四畳半フォーク的では無く、映画館のエンドロールで聴きたい、制作したい!と思った初期衝動。

こんなに暗い楽曲をこんなにワクワク作業出来る自分になぜかホッとしています。さあ、次は何をカットするかな…

アトム4世

水星note レコーディング日記6

今回は全4曲となる予定ですが、一曲が長いので実際には7~8曲分の感じだ。ある曲など、イントロも間奏も後奏も殆ど無いのに6分を超えてしまう。リリックに必然性があるから聴いてて退屈はしないけど…長い。カップ麺を待つ間では聴けないと云う。このアルバムはBGM向きでは無い、しっかり向き合って聴いてもらいたい作品になります。

で、現在はミックスダウンの為の細かい準備作業中なのですが、4曲中3曲がシャッフルなんです。このブログを読んで頂いている方は音楽に詳しい方が多いと思うのであまり突っ込みませんが、シャッフルとは三連符の中抜き、つまり「タッカタッカ」とか馬の歩く「カッポカッポ」みたいなリズムなのです。

そもそも3連が割り切れないリズムの上、中抜きだから上手いとか下手とかの基準がもう紙一重…。「スウィングしてる」と言えば聞こえが良いが、単に「モタっている」場合もある。

自分の多重演奏をプレイバックすると、より悩む場面が増える。アイツ下手だから…とか、人のせいに出来ないからね。ドラムとベースだけで聴いて、よっしゃ!良いノリ出てる。と、調子付いたかと思えばギターを重ねてみると…なんだこのヘタクソは!となり、試しにギターとドラムだけで聴くと良い感じなのになあ…みたいに。

ドラムが人間なら、上手かろうが下手だろうが、そのドラマーをリズム大臣として全面的に信頼し他が合わせて行けば良いけれど、今回のドラマーはアトム4世(Mac)だからこちらが命令しなければ動きゃしない…。3連符は割り切れない(1÷3=0.333333...,)と書いたけど、どこかでこちらが命令してやんなきゃいけない。つまり0.33なのか、0.34なのかハッキリしてやんなきゃなんです。

新アイボも発売されるし、そのうちコンピューターがこちらに合わせてくれるようになるかしら…頼むぜ、アトム4世!

 

写真は初代Athomで制作した2000年の作品。今でもライブで演奏するthe moleなど収録されていますが…廃盤です。

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キャシャーンがやらねば誰がやる

水星note レコーディング日記5

今回のレコーディングは失うものも多いけど、得るものの方が圧倒的に多い日々になっています。

コピーでも、モノマネでも無い…奇しくも原作者の水星さんが最近、山奥で宝石の原石を採掘するのを趣味としているらしいけど、その原石を磨いていく作業がこんなにも自分を熱中させるとは…。

ただ”すいせいのおと”に耳を傾けて原石が放つ光を色んな角度からよく見えるように部屋を片付け、弦を張り替え、コンピューターを整備し、リズムを加え、余計なものは削ぎ落とし、何と言っても自分が繰り返し聴きたくなる音像を目指している。

そして彼の言葉を借りるなら、僕が水星をなぞっているのでは無く、僕の中から出てくるのだ。だから何としてもやり遂げなきゃならない仕事であり、ほとんど仙人のように山中のスタジオに籠りっぱなしで集中している。このレコードはライブで再現する事はルーパーを駆使しても不可能、ライブとの整合性すらも無視した。実際これでしか聴けない唯一無二の存在となるべく。

更に水星ファンに気遣う事も一切やっていない。原石を見たいなら彼のライブに行けば良い、そこにはゴツゴツとした岩場に異彩を放つアメジストのような歌がある。

さあ「録り」の山場を越えてこれからはミックスの為の各トラックのチェックなどの作業に少しずつ移行します。その段階で録り直しを余儀なくされる事も有るかも知れないし、工程的にはまだ難関も待ち構えているけど、キャシャーンがやらねば誰がやる(古)の気合いでやり抜きます。

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歌を急ぐ理由

水星noteレコーディング日記4
【歌を急ぐ理由】

本来、レコーディングはしっかりオケが完成してから歌録りするのが当然なのだが、今回は本採用を目指した仮歌を録音する手法で進めている。

なぜこんな事をしているかと言えば、一番の理由は「一番の難所」だからです。計画通り進捗していたとしても風邪を引いたら一発アウト、他の事は多少の無理も利くが歌だけは喉の調子の良い時に録っておきたいのです。

しかも今回は歌詞の変更も考えていないので、楽曲の骨組みが決まった時点でどんどん歌っています。ツアーで鍛えているから、この三日間で100回以上本気で歌ったはずだけどおかげさまでピンピンしている。

そして、ピッチ修正などの後編集もほぼ必要の無い歌が録れた。

後、今回は作業をしながら片付けて行く(ミストラックをすぐ削除する)手法も取り入れています。いつもは「イマイチな演奏だけど後で必要になるかも…」と残しがちでした。トラックダウンの頃にはそれらが原因で肥大化して収拾のつかない事もよく有るのです。

いわゆる断捨離ですね、これが出来るのも楽曲が歌詞とメロディーで既に完成しており手を付ける必要の無い素晴らしい楽曲だからです。オリジナルの場合はレコーディングしながら歌詞を考えたり、リズムを変更したりする場合も多々あるので材料としてアイデアをコンピューター内に取っておきたい気持ちが強いのです。

そんな訳で、今回のレコーディングでの難所を越えつつ有る事をご報告しておきます。

しかし…歌録りの時は必ずギターを抱えてないと良い歌が歌えない癖は直らないな…

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音声の可視化(幸せの形)

水星note レコーディング日記3

今は毎日もの凄い集中力を発揮しています。子供の頃から「落ち着かない」「集中力が無い」と言われ続けて来たのが嘘のよう。朝の9時からこんな時間(AM4:00)まで、殆どスタジオに籠って作業しています。これが出来ているのも、皆さんに喜んでもらえる作品に仕上げたい一心です。初のカヴァーアルバムですが、完全にオリジナルの様に身体に染み込んで来ました。

新たな発見が日々あるのですが…

録音作業がデジタル化して久しい。この波形を見てほしい、ギターの方はコードストロークだからギザギザして当たり前なんだけどボーカルの波形は何とも幸せな形をしていると思いませんか…。

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僕は決して上手いボーカリストじゃないので(謙遜しているわけでは有りません)何度も何度も歌います。一曲平均20回ぐらいは歌ってると思う。今はコンピューターでピッチ修正なども出来るけど、なるべくなら手を掛けたく無いのです。これは、皆さんが手にして頂いている僕の写真集にも通じるのですが、ありのままを記録したいのです。拘り過ぎるあまりにクオリティを下げると判断した時は少しコンピューターの手を借りますけど。

そして、これだけ歌っていると波形を見て、良し悪しが分かるようになって来るのです。良くない歌の波形はイビツで美しくないんですね。

ご期待下さい、必ず素敵な作品に仕上げます。