4コマの虚ろい

群馬県前橋のシンガソングライター『水星』さんに出会ったのは3年前の今頃だった。衝撃的なライブを目撃してすっかりファンになった僕は自分のiPhoneでこっそり録音して自分だけで愉しんでいた。


そのうち、歌ってみたくなり遂に去年カヴァーアルバム『水星note』を発表した。


そして今年は満を持して御本人のオリジナルアルバム【4コマの虚ろい】が発表された。ここに至る経緯は世にも特異な現象になったと思う。


音源化されていない楽曲を他人である僕が先に発表し、それを持って全国ツアーまでするという今まで誰もやった事ないだろう行動に出た。


今、考えればこれはボクシングに例えればダブルダウンみたいに双方マックスの刺激を受けたのではないか?僕は何としても次にオリジナルアルバムを発表しなければ「枯渇したからカヴァーに手を出した」と思われてしまうんじゃないかと云う恐怖感。これと闘う事になった。


一方、水星さんもやはり今まで延び延びになっていた【4コマの虚ろい】のレコーディングを開始する事になったのは少なからず僕の活動も影響したのではないか。そこに登場したのは群馬では絶大な人気を誇るヨーシャンズの今井洋一氏(以下ヨーピン)だった。アレンジャーとして、またプレイヤーとして全面的に参加している。


『水星note』と『4コマの虚ろい』では3曲重複している。しかし、味わいは全く違う。同じ茶葉でもイングリッシュティー玉露になるように。ヨーピンは水星さんの陽水ラブを存分に引き出して80年代のLion&Pelicanやバレリーナの頃のようなサウンドメイキングをしている。水星さんは普段アコースティックギター1本でほとんどコード弾きのみのスタイルで歌うが、今アルバムではかなりカラフルな印象になった。特に『廃虚』はヨーピンにはこんなセンスまで有ったのか!と唸ってしまう。


そしてまた水星さんは淡々とギター1本のライブ活動を続けて行くのだろう。その後も新曲が出来ているという。またタイミング見つけてこっそり聴きに行こう。

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